糖尿病性足病変(DF)・下肢動脈疾患(LEAD)・包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)は、いずれも「足」を主要な標的臓器とする疾患群です。血管機能の評価と知覚の定量評価は、独立した検査として実施されることが多いのですが、臨床的には相互補完の関係にあります。
オサチでは、血圧脈波検査装置ArterioVision MS-3000と知覚・痛覚定量分析装置PainVision PS-3100の2製品を通じて、血管障害と神経障害の両面から下肢保護に貢献するソリューションを提供します。
LEADは全身性動脈硬化の下肢への発現であり、心血管イベント(心筋梗塞・脳卒中)との高い合併率が知られています。日本循環器学会・日本血管外科学会による2022年改訂版末梢動脈疾患ガイドラインにおいても、ABI(足関節上腕血圧比)を用いたLEADの早期スクリーニングの重要性が明示されています。
一方、糖尿病性末梢神経障害(DPN)は糖尿病患者の50%以上に生じ、無痛性潰瘍の形成・壊疽の進行、ひいては下肢切断のリスクを増大させます。DPNの特徴は症状の自覚が乏しい点にあり、客観的かつ定量的な知覚評価ツールの導入が感度の高い早期介入に直結します。
下肢を守るために必要なのは、血流の評価と神経の評価を同時に行う体制です。
ArterioVision MS-3000は、ABI・PWV・ASIの同時計測により、下肢動脈の狭窄・閉塞(LEAD)と動脈硬化の進行度を非侵襲的に評価します。
特許技術であるASI(Arterial Stiffness Index)は、カフ圧の減圧過程における脈波振幅パターンから中膜弾性率に比例した値を算出するものであり、LEAD合併例においてもABIとは独立した指標として評価可能な点が臨床上の優位性を持ちます。
**CLTI(包括的高度慢性下肢虚血)**は、LEADが重症化し安静時疼痛・虚血性潰瘍・壊疽を呈する段階であり、1年以内の切断率・死亡率がともに高いのですが、ArterioVision MS-3000による定期的なABI/ASIモニタリングは、LEADからCLTIへの移行を早期に捉え、血行再建術の適応判断を支援します。
高血圧・脂質異常症・糖尿病は、いずれも動脈硬化進行を介してLEADリスクを高めます。baPWVおよびASIの経時的モニタリングは、生活習慣介入・薬物療法の効果判定にも応用可能であり、フットケア外来における定期評価ツールとして有用です。
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PainVision PS-3100は、低周波電気刺激(50Hz、0~300μA)を用いて電流知覚閾値を数値化します。
PainVision PS-3100の電気生理学的手法による定量値は、治療前後の経時比較は、複数施設間での数値共有を可能とします。
糖尿病性末梢神経障害の管理において特に有用となります。
糖尿病性末梢神経障害(DPN)では、足底・足趾の知覚低下が先行し、無自覚の組織損傷・感染が進行します。PainVision PS-3100による知覚閾値測定は、DPNの早期発見と重症度評価に直結します。
参考研究(嶋津ら, 2011)では、足根部・アキレス腱部の電気刺激に対する知覚閾値が加齢とともに有意に上昇することが示されており、年齢・性別を考慮した正常値との比較による客観的診断が可能です。
LEADによる虚血性障害とDPNによる神経障害性障害は、糖尿病足病変において高頻度に合併します。一方の評価のみでは、創傷治癒不全・切断リスクの過少評価につながる可能性があります。両システムを同一施設で運用することにより、血管と神経の複合的評価に基づいた治療方針の立案が可能となります。
◉ 糖尿病内科/内分泌科 : DPN評価・フットケア外来、CPTによる早期神経障害スクリーニング
◉ 循環器内科/血管外科 : LEADスクリーニング、CLTI管理、血行再建術後モニタリング
◉ 形成外科/皮膚科 : 糖尿病性足潰瘍の治療効果判定、術後疼痛管理
◉ リハビリテーション科 : 下肢切断予防プログラム、歩行機能評価
◉ 健診・予防医療施設 : 生活習慣病ハイリスク群の動脈硬化・下肢神経障害スクリーニング