技術・応用
Technology / Applications
PainVision PS-3100は痛みの大きさをパルス電流による電気刺激の大きさと比較することにより痛み度を表示する機能を持つ装置です。
患者が感じている痛みと 同程度の電気刺激(痛み対応電流値)を測定することにより、痛みの定量評価を行います。
痛みを評価する前に、様々な要因による個体差を消去 する目的で、基準値(上腕内側の電流知覚閾値)の計測を行います。
痛み度*=(痛み対応電流値-電流知覚閾値)/電流知覚閾値 X 100
*痛みの単位は、「痛み度」・「痛み指標」から選択ができます。
痛み度は無痛になると0になる無次元量であり2000+の範囲で純粋な痛みの程度を示します。
PainVIsion PS-3100は、低周波電流(50Hz、0~300μA)電気刺激により測定を行います。
刺激電極は痛みの存在する部位を避けて装着する必要があり、原則として前腕内側部に貼付けます。
ゆっくりと電流を強くして(上げて)いき、電流知覚閾値と痛み対応電流を3回測定します。
その結果は、ソフトウェアに記録され、痛み度が算出されます。
PainVision PS-3100は、痛みの程度を数値化することで、痛みの強さや、治療効果などを定量的に評価できます。
痛みは本質的には患者個人の主観的な感覚ですから、先入観や心理的な要因が複雑に関与します。
従って、これを客観的に評価するには多くの困難を伴います。以下が従来より用いられている方法です。
PainVisionの評価と組み合わせることにより多角的な痛みのアセスメントが可能となります。
痛みの強さの評価
Visual Analog Scale : VAS
Numerical Rating Scale : NRS
Verbal Rating Scale : VRS
Face Rating Scale : FRS
行動的側面を含めた痛みの評価
Prince Henry Pain Scale : PRS
Children’s Hospital Estarn Ontario Pain Scale : CHEOPS
痛みの質、行動、QOLの評価
McGill Pain Questionnaire : MPQ
SF-36 (Medical Outcome Study Short-Form 36-Item Health Survey)
PDAS (Pain Disability Assessment Scale)
痛みの数値化は難しいが、痛みの強さは定量化することが可能である。
(治療、研究の対象となり得る。)
参考:出展 日本医師会雑誌
PainVision PS-3100は、痛みの大きさを電気刺激により数値化します。
客観的数値として表示される独自の「痛み度」と、心理的要因を反映する主観的数値であるVisual Analog Scaleとを組み合わせて診断に用いることにより疼痛管理を効果的かつ容易に行うことができます。
術後の痛みを数値化する事により患者と治療医にとって最適な術後管理計画(方針)の促進ができます。
術後管理計画(治療方針)を確立する事により、医師、病院、患者が以下のメリットを享受できます。
術後の痛みを数値化する事で、患部の不要な処置を軽減し、過剰投与の防止、術後治療からリハビリまでの適切な治療計画を確立できます。
リハビリまでの術後治療計画の確立により、良質な医療サービスの提供による利益確保を可能にします。
術後管理の適正化により、質の高い医療サービスと安心、安全な治療、術後処置を受けられます。
疼痛管理
臨床研究者
ストレスマネジメントカウンセラー
理学/作業/レクリエーション療法士
精神分析医
PainVision PS-3100 は、感覚の鋭さ・鈍さ(知覚)をパルス電流による電気刺激の大きさで表示する機能を持ちます。
感覚の評価:患者の局所部位の感覚の程度(知覚閾値)と同定程の度電気刺激(最小知覚電流値)を測定することにより、定量評価します。
電流知覚閾値= 刺激を感じた最小の電気刺激の大きさ
PainVisionPS-3100は低周波電流(50Hz、0~300μA)を使った電気刺激により測定を行います。
最低知覚閾値の計測では、計測部位に刺激電極を装着します。ゆっくりと電流を強くして(上げて)いき、電流知覚閾値を3回測定します。
3回の測定の平均値が最低電流知覚閾値となります。
電流知覚閾値測定することで、測定部位の感覚の鋭さ・鈍さ定量的に評価することができます。
セメスワインスタインモノフィラメント
ディスク・クリミネーター
チューニングフォーク(音叉)
等があります。
PainVision PS-3100は、計測が難しかった患者の感覚の鋭さ・鈍さ(知覚)を電気刺激により数値化します。
それにより客観的な評価が行え、患者の感覚障害の程度を把握することができます。
PainVision PS-3100を使って治療前後の知覚の程度を定量化することにより効果的な治療に役立てることが可能です。
性別・年齢別知覚閾値(実効値)図1にある通り、加齢ととも知覚閾値は、高くなります。
同年代と比較して知覚閾値が高い場合は、感覚が低下している可能性があります。
図1:神経障害を有さない患者の電気刺激を利用した知覚閾値の性差及び年齢差
(a)左腕前腕内測部、(b)足根部、(c)アキレス腱部
出典:電気刺激に対する体表面知覚閾値における性差及び加齢の評価 嶋津秀昭 杏林大学保健学部臨床工学科 生体医工学 49(1):163-169, 2011
対象
診療科
循環器内科:虚血性末梢神経障害の評価
内分泌(糖尿病)内科:糖尿病性末梢神経障害の評価
対象
末梢神経障害評価・管理
フットケア・足病管理
疼痛評価
知覚閾値計測